国内初のGBAC STAR認証、パレスホテル東京に学ぶ感染症対策

KENKO HEADLINE WEB(2020/11/20)より転載

本格的な冬の到来を前に、新型コロナウイルス感染症対策の重要性が一段と高まっている。感染予防と社会経済活動の両立が課題となる中、店舗や施設など事業者の中には、国際的な認証を取得して利用者の安心につなげる取り組みも始まっている。

今年8月、パレスホテル東京は、感染症予防対策において国際的な衛生基準を満たした施設であることを証明する「ジーバック・スター・ファシリティ・アクレディテーション(以下、GBAC STAR™認証)」を国内の宿泊施設で初めて取得した。

世界的な衛生基準
GBAC STAR™認証とは、世界的な洗浄業界団体ISSA(アイエスエスエイ)にて洗浄、消毒および感染症予防のプロトコールを実施する施設の運営基準を提唱している部門、Global Biorisk Advisory Council (以下、GBAC)による国際的認証プログラムだ。

認証はGBACが専門家と共に定める国際的衛生基準ガイドラインを満たしている宿泊施設に進呈されるもので、認証を取得するためには洗浄、消毒、感染症予防に関する項目や従業員の役割・責任などの細かな基準を満たす必要がある。今年7月にはアメリカン航空が2020年度内の取得を目指すと発表するなど、宿泊業界や航空業界をはじめ、大規模スポーツイベントでも、こうした認証取得が注目されている。

30項目以上の感染予防策
パレスホテル東京では、客室からレストラン・宴会場、スパ・フィットネス・プール、パブリックスペースに至るまで30項目以上の感染予防策を実施。チェックインカウンターにはアクリルボードが設置され、精算時にはキャッシュトレイを使用する。また、宿泊客には食事以外でのマスク着用を呼びかけているほか、検温や健康チェックシートの記入、朝食はビュッフェスタイルから個食スタイルに変え、人の往来や接触による感染を防いでいる。

個別包装や次亜塩素酸水による消毒
また、宿泊客の手に触れる機会が多いリモコンやディレクトリー、ボールペンは、消毒の後ビニールに個別包装するほか、バスルームの扉ノブやタオル掛け、ワードローブ内のハンガー、ベッド周辺のスイッチパネルなども細やかに消毒する。パレスホテル東京では、強力なアルコール消毒で客室の木部が劣化してしまうことを防ぐため、次亜塩素酸水を噴霧して吹き上げる。もともと人体に影響のあるオゾン発生機を使用せずに消臭効果が期待できると導入した次亜塩素酸水だったが、GBACに推奨された消毒液のひとつだったこともあり、現在は消毒としても使用しているという。

GBAC認証の取得に向けては、感染症対策そのものだけでなく、チェック体制も重視された。「ただ対策をしているだけではなく、社内のチェック体制が機能しているのかという点が求められました。客室やスパ、レストラン、パブリックスペースなどあらゆるセクションでチームを作り、体制を強化していきました。こうした認証を取得することで、お客様の安心材料になれば」とパレスホテル東京の担当者は話す。

国内外あるいは事業者ごとに異なる感染症対策において、国際的な第三者認証を得ることで安全性を担保する意味合いは大きい。コロナ時代の衛生面もまたニューノーマルが求められている。